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長崎くんちの一年 ― 12月の引き継ぎから、10月の花御礼まで

更新:2026年10月10日

長崎くんちの本番は10月7日から9日までの3日間。
でも踊町(おどっちょう)にとっては、前の年の12月から1年がかりの大仕事です。
引き継ぎ、小屋入り、場所踏み、庭見せ、人数揃い、本番、花御礼。
踊町と諏訪神社の一年の流れを、順を追ってまとめました。

この記事は、運営者が内容を確かめている途中の下書きです。町や家によって違う作法・金額などは、確かめたうえで直していきます。

一年の流れ ― ひと目で

時期 すること
前の年の12月1日 その年の踊町から、翌年の踊町へ申し送り
〔神社〕新旧の年番町・神輿守町・踊町の引継(年当番引継ぎ奉告祭)
1〜4月ごろ 演し物を決め、予算を立て、町内に寄付をお願いする
〔神社〕毎月1日に月次祭(つきなみさい)
5月 小屋入りの人の手配。曳物の町はお囃子の練習と道具そろえ
6月1日 小屋入り。稽古始め。午後は「打ち込み」
〔神社〕午前8時から踊町のお清め
7〜9月 稽古が本番さながらに。お盆過ぎから「場所踏み」
9月 庭先係が呈上先を確かめ、3日間の「庭先帳面」をつくる
10月1〜3日 〔神社〕事始神事・神輿守町のお清め・お旅所の地鎮祭・氏子のお清め・河降神事・従列人数揃
10月3日 庭見せ。夕方から夜まで、町に支度を飾って見せる
10月4日 人数揃い。本番どおりに町の人へお披露目
10月6日 〔神社〕神輿出し、神輿とお旅所のお清め
10月7〜9日 本番。踊場で奉納し、町なかを庭先回り
〔神社〕お下り・例大祭・お上り
10月13日 〔神社〕直会神事(なおらいしんじ)。この年の大祭が終わる
10月20日前後 花御礼。御花をいただいた所へ1軒ずつお礼に回る

この記事の日付と時刻は、長崎くんちフォーラム(長崎くんち研究会)にまとめられている例年の流れによります。
年によって変わることがあるので、その年の案内でも確かめてください。

引き継ぎ(前の年の12月)

くんちの一年は、前の年の暮れに始まります。
12月1日、諏訪神社の月次祭に合わせて、その年の年番町・神輿守町・踊町から、翌年の当番へ引き継ぎが行われます。
踊町どうしでも、その年の踊町から翌年の踊町へ、準備の段取りや気をつけることが申し送られます。

演し物を決め、お金を集める(1〜4月ごろ)

年が明けると、踊町は演し物の中身を決め、予算を立て、町内に寄付をお願いして回ります。
くんちの演し物は、衣装も道具も手間のかかるものばかりです。
長崎くんちフォーラムでは、1つの町で2千万〜3千万円の費用がかかると紹介されています。

その年の踊町は、4月ごろに発表されます。
2026年は4月16日に、6か町と発表されました。

小屋入り(6月1日)

小屋入りの朝、諏訪神社に参拝する踊町の人たち

小屋入りの朝、諏訪神社に参拝する踊町の人たち(写真:運営者)

参拝のあと、拝殿の前で記念撮影

参拝のあと、拝殿の前で記念撮影(写真:運営者)

6月1日の小屋入り(こやいり)は、稽古始めの日です。

  • 午前:朝8時から決められた順番で、町旗を先頭に諏訪神社へ参拝し、奉納の無事を祈ってお清めを受けます。そのあと八坂神社にもお参りします。服装は紋付袴が正装です
  • 午後:2時ごろから6時ごろまで、「打ち込み」に回ります。年番町、ほかの踊町、長崎伝統芸能振興会、掛け町人(かけちょうにん)の家、町がお世話になっている所などへ、お囃子を打ってあいさつに行きます。お囃子のない本踊の町は、しゃぎりだけを打って回ります

行列の順は、町旗・会長・幹部役員・踊りの関係者・傘鉾持ち・役員・町の人・しゃぎり、とされています。

稽古と場所踏み(7〜9月)

夏になると稽古は本格的になり、踊町のあちこちからお囃子の音が聞こえてきます。
特にお盆過ぎ(8月15日以降)からは、実際の踊場に出向いて練習します。
これを「場所踏み(ばしょふみ)」と言います。

庭先帳面づくり(9月ごろ)

本番の3日間に、どこへ演し物を届けに行くか。
これを決めるのが、町の庭先係です。

  1. 町内の家々から、呈上(ていじょう)してほしい先を出してもらう
  2. 庭先係が、町として回らなければならない所を足す
  3. 効率のよい道順を考えて、3日間の「庭先帳面」をつくる
  4. 帳面をもとに、呈上札(ていじょうふだ)を1枚ずつ、筆で「〇〇様」と書き入れる

庭先回りの裏には、こうした地道な準備があります。
くわしくは「庭先回りの楽しみ方」へ。

庭見せ(10月3日)と人数揃い(10月4日)

庭見せに飾られた傘鉾と御花

庭見せに飾られた傘鉾と御花(写真:運営者)

  • 庭見せ(にわみせ):10月3日の夕方から夜まで、踊町が傘鉾や演し物、衣装、届いたお祝いの品を町に飾り、道行く人に見せます。くわしくは「庭見せの楽しみ方」へ
  • 人数揃い:10月4日の午後から、衣装も飾りも本番どおりに、その年の奉納踊を町の人にお披露目します。本番さながらなので、見物の人も多く集まります

同じ10月3日の午後には、諏訪神社で年番町の「従列人数揃(じゅうれつにぞろい)」もあります。
神輿の行列にお供する人たちが本番の衣装を着て、お清めを受ける行事です。

本番の3日間(10月7〜9日)

踊場での奉納

踊場での奉納(写真:運営者)

諏訪神社の神輿

諏訪神社の神輿(写真:運営者)

日 朝の奉納 神輿
10月7日(前日・お下り) 朝7時、諏訪神社から。中央公園の踊場、お旅所と回る 午後1時、三基の神輿が諏訪神社を出て、大波止のお旅所へ
10月8日(中日) 朝7時、八坂神社から。中央公園の踊場へ 神様はお旅所にとどまる。午前10時に例大祭
10月9日(後日・お上り) 朝7時、お旅所から。諏訪神社へ 午後1時、神輿がお旅所を出て、諏訪神社へ戻る

踊場での奉納が終わると、踊町は町なかへ出て庭先回りをします。
3つの町の役割がこの3日間にどう重なるかは、「町の役割」にまとめています。

直会神事と花御礼(10月13日・20日前後)

町事務所に届いた御花

町事務所に届いた御花(写真:運営者)

10月13日、諏訪神社で直会神事(なおらいしんじ)が行われ、この年の大祭は終わります。

踊町の仕事は、もう少し続きます。
3日間の庭先回りで演し物を届けた先からは、「御花(おはな)」というご祝儀が町事務所に届きます。
踊町は10日ほど町事務所で御花を受け、そのあと「花御礼」と書いた札を持って、1軒1軒お礼に回ります。
これが花御礼(はなおんれい)です。

そして12月、また次の踊町へ引き継がれていきます。
御花の出し方は「御花の出し方」へ。

よくある質問

稽古はいつから見られますか?

6月1日の小屋入りの午後、打ち込みで町なかを回る踊町に出会えます。
夏の稽古は町ごとの稽古場で行われ、見学できるかどうかは町によって違います。

年によって日付は変わりますか?

本番の10月7〜9日、庭見せの10月3日、人数揃いの10月4日、小屋入りの6月1日は、曜日にかかわらず毎年同じ日です。
時刻や回る順は年ごとの案内で確かめてください。
雨のときは「町の役割」の「雨の日はどうなりますか?」を見てください。

参考にした情報